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救世主はクラウドファンディング !? ファッション業界におけるクラウドファンディングの可能性


(photo by Guido van Nispen

 ◆結論

個人デザイナーや小規模なブランドにとって、クラウドファンディングが救世主となり得る!!!

クラウドファンディングを導入することによって、生産やファッションショー開催に必要な資金を集めることができるのはもちろん、ブランドの考えやストーリーに共感してくれる、「ロイヤルカスタマー」を作ることができる。

これに加え、出資 = プレオーダーという仕組みにすることで、生産予測を立てることができ、在庫リスクを軽減することができる。

ファンは、お気にいりのブランドの商品ディスカウント価格で購入できるだけでなく、デザイナーとリアルの世界でコミュニケーションを取れたり、さらにはブランドを一緒に大きくしていくことができ、ブランドにとってもファンにとってもWin-Winの仕組みが、クラウドファンディングだと思うのです。

 

◆キラキラしたファッションの世界の現実

ファッションの世界と云えば、美しいモデルにファッションショー、そしてパーティー…と、なんともFABULOUSな世界!と幻想を抱きがちだけど、絶対的に資金が足りていない。

もちろん一部の巨大ファッション帝国(LVMHやPPR、H&M、ZARAなど)は世界を市場に勢いを増すばかりだけれど、この業界には「弱小」と言ってしまうのは失礼極まりないけど、資金の面で「弱小」なブランドが沢山存在しているのが事実。

上に挙げたファッション業界の幻想を作るには、資金が不可欠。

また、どんなに素晴らしいクリエーションを生み出していても、一定の資金がなければそれらを世に発信することだって難しい。

でも、「クラウドファンディング」を活用すれば、資金集めに苦しむ「弱小」ブランドでも軍配を上げることが可能かもしれない。今の時代のマーケティングで最も重要なことの一つが、「ファンとのエンゲージメント」を強めること。

つまり、ブランドにいかに共感してもらい、ファンを巻き込んでいくことがとっても重要なの。

この「ファンを巻き込む」という点では、ファッションはかなり有利。とある歯磨き粉や洗濯機ブランドを崇拝する程好きになることはないと思うけど、ファッションブランドならありえる。現に、全身マルジェラです!とかサンローランです!みたいな人ってざらにいるでしょ?

 

◆ブランドがクラウドファンディングから得られるものとは?

クラウドファンディングを導入することによって、ブランドは、

  1. まとまった資金を集めることができる
  2. 既存のファンとのエンゲージメントを高めることができる
  3. ブランドの世界観やストーリーに共感してくれる、新たなファンを見つけることができる

出資のリターンとして、ファッションショーに招待したり、プレオーダーができたり、デザイナーと交流できる機会を提供することで、既存ファンははもちろん、クラウドファンディングを通してブランドに共感してくれた新しい顧客は、「自分が関わった」ということで、ブランドに対して愛着を持ってくれるようになる。

関わることで愛着が湧いてくるのは、学校の文化祭の原理と一緒。一生徒として参加するのではなく、実行員として運営に携わった方が、思い出深い経験となるでしょ。

単発の割引セールで購入したカスタマーより、ブランドに対して愛着を持ってくれているファンが良質であることは言うまでもない。将来ブランドを支えてくれるのは、ロイヤルカスタマーなのだから。

 

◆ fashion × クラウドファンディング成功事例  -Flint and Tinder

Flint and Tinderは、プレミアムカジュアルウエアブランドで、100% Made in USA (使用するコットンや縫製工場はもちろん、梱包資材まで!)のメンズアンダーウエアを生産するのに、米国大手のクラウドファンディングサイト、Kickstarterと手を組んだ。100% Made in USAによるクオリティーと、適正価格、そしてMade in USAがアメリカに雇用を生み出すことを伝え、多くの人の共感を得ることに成功。

Kickstarterとの最初のプロジェクトは、Made in USAのMEN’Sのアンダーウエアを生産するのに必要な、$30,000を集めること。最低出資額は$5で、出資者は出資金額に応じた枚数のFlint and Tinderのアンダーウエアを「プレ・オーダー」することができる。 ※$5出資してくれた人には、「家族や友達に宣伝してね!」と、アンダーウエアではなく、オリジナルのマッチが3ケースが送られる。

結果として、$30,000の目標金額に対して、5578名から$291,493の出資を受けることに成功!!

第二弾として、Made in USAの “The 10-yeat hoodie” (10年間着られるパーカー)の制作に向けて、現在出資を受付中(2013.4.1現在)。

クラウドファンディングとファッションの相性の良さは、資金を集める、ファンを巻き込むだけでなく、「プレオーダー」にある。つまり、メーカーによって死活問題である在庫リスクを最小限に抑えることができるのです。

 

◆日本の fashion x クラウドファンディングの取り組み

FIGHT FASHION FUND BY PARCO

日本での成功事例としては、PARCOが日本の若手クリエーター支援の為のマイクロファンド「ファイト・ファッション・ファンド by PARCO」がある。1口3万円からスタートし、予定していた期間の半分の3ヶ月で満額を調達したという。バックにPARCOがいる、というのがとっても心強い。出資を受けたブランドの一つである、「My Panda」は渋谷PARCO part1に出店しています。

 

INVITATIONS

また、INVITATIONSは日本初のファッションに特化したクラウドファンディングサイト。

出資金額に応じて、ブランドの展示会やファッションショーに参加できたり、オーダーメイドをお願い出来たりする。残念ながら、今はリニューアル中ということで出資は受け付けていないけれど、日本のファッションクラウドファンディングとして、今後さらに浸透していくことに強く期待しています。

 

CHRISTIAN DADA

さらに、最新の出来事としては、東コレ参加ブランドで、LADY GAGAの衣装も手がける日本のファッションブランド、CHRISTIAN DADAがクラウドファンディングプラットフォームのWESYMを通して、個人スポンサーを募集

ソーシャルメディア上では、結構話題になっていた気がしたのですが、目標金額の100万円に対して、24万しか集まらなかったようで、ちょっと残念。出資者へのリターンが¥5000の出資でファッションショーに招待、¥10,000でTシャツプレゼント、¥30,000でJFWのアフターパーティーにプレゼントというものだったが、ちょっと魅力に欠けていたのかも。

 

◆ベストプラクティス

じゃあ、どうするのがブランドにとっても、ファンにとってもベストな方法だろう?ブランドはクラウドファンディングを通して、

  1. ブランドのストーリーやメッセージを発信し、多くの人に「共感」してもらう
  2. ディスカウント価格でのプレオーダーを通して、生産予測
  3. 展示会やパーティー、ファッションショーにファンを招待し、リアルでファンと交流

この3つ全てをバランスよく取り入れることができれば、仮に「弱小」ブランドであっても、次のステップへ進ための資金集めができるはず!(ファッションショーご招待だけじゃだめ。ショーの前に商品の販売で利益を挙げることから始めるべき。でなければ、長続きしないから。)

INVITATIONを筆頭に、日本のファッション業界において、もっとクラウドファンディングが浸透することに強く期待!

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