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ファッションウィーク2016 SSで気になったデジタル施策5選


少し時期がずれてしまいましたが、ファッションウィーク2016S/Sのデジタル施策について振り返ってみようと思います。

ファッションウィークとと言えば、本来は次のシーズンのコレクションをメディアやバイヤーに向けてお披露目する場でありましたが、今となってはファッション × デジタルの実験の場としても注目される様になりました。

ライブストリーミングや人気ブロガーやセレブの誘致は、もはや当たり前。今シーズンも沢山の新しい取り組みが行われましたが、ソーシャルメディアプラットフォームとファッションブランドがダッグを組むケースに加え、動画コンテンツの充実がより一層目立ってきました。

burberry-snapchat
2016 S/SのファッションウィークでParisが気になったのは、下記の5つ!
  1. Burberry x Snapchat:何処よりも早く新作をチラ見せ&爆速更新
  2. TOPSHOP x Pinterest :4大ファッション都市のカラーパレットを購入可能に
  3. VOGUE x youtube :Youtube spaceで人気VloggerがNYFWをレポート
  4. Tommy Hilfiger x twitter:”twitter halo”で360°死角なし
  5. twitter fashion emoji:期間限定日替わりemojiを提供

 

1. Burberry x Snapchat

Fashion x ITの分野において、常に頭一つ抜けているBurberry。2015 FWのショーでは、LINEアカウントを開設し、LINEのキャラクターとコラボレートした(衝撃的な)スタンプや、LINEを使った世界初のライブ配信は記憶に新しいですが、今シーズンは1000万人のデイリー・アクティブユーザーを持つと言われる今、ミレニアルズ世代に最も影響力のあるソーシャルメディア、Snapchatとコラボレート。どこよりも先に、新作のプレビューを行いました。

また、セレブ達が続々と集結する様子やランウェイの様子を、ライブ配信とは別に、ほぼリアルタイムで爆速更新。

burberry-snapchat3Mashableより

 

さすが、Burberry様ね!と思わずにはいられなかったポイントは、コレクション発表の前にルックを公開した、という点。ショー前のバックステージやインスピレーションソース、素材の一部をコレクション発表の前にソーシャルメディアで公開するブランドはありますが、ルックそのものを見せちゃう、というのは、24時間でメッセージが消滅し、さらに画像を保存できない(スクリーンショットすら撮れない)というsnapchatの特性を熟知していたからこそできたこと。

Burberry_snapchat_video Burberry_snapshat_video2

ラグジュアリーブランドにとって、発表前に、しかもレタッチされていコレクションのルック画像が世に出てしまうのは、ご法度同様。(本社で働くスタッフですら、発表前のコレクションを見ることができるのは、限られた人のみだったりする。)ファッション業界のタブーに踏み込んだBurberryのその勇気こそ、常にFashion Tech分野においてリーダーであり続ける理由だと思いました。

 

2. TOPSHOP x Pinterest
Burberry同様、常に新しいデジタルマーケティング手法を取り入れているもうもう一つのブランドがTOPSHOP。今回はpinterestとダッグを組み、ニューヨーク、ロンドン、ミラノ、パリの4大ファッション都市のカラーパレットが購入できる仕組みを導入しました。

Pinterest   Topshop color

これは、Pinterestのボードからボードで使用されている画像のカラーを抽出することによって、オリジナルのカラーパレットを作ることができる「PINTEREST PALETTE」という機能を使ったもの。TOPSHOPはファッションウィーク中における4つのファッション都市それぞれにおいて、「STREET STYLE」「IN DETAIL」「ABOUT TOWN」の3種類、合計12種類のボードを作成し、カラーパレットを公開しました。つまり、これらのカラーパレットは、ストリートからキャッチしたての今年のトレンドカラー!というわけ。そして、カラーパレットから好きなカラーを選択すると、そのカラーを使った商品が提案される、という仕組みになっています。

NY LFW Pinterest JS   Topshop products

 

今年のトレンドカラーを知ることができるだけでなく、トレンドカラーの商品をその場で買うこともできちゃうのです!「新商品」や「人気アイテム」といったくくりではなく、カラー縛りのおすすめって、予想外の商品と出会えたりするから結構好きなのよね。

YouTube Preview Image

 

また、TOPSHOPが用意したカラーパレットだけでなく、自分のボードからカラーパレットを生成し、そのカラーに基づいたおすすめ商品を見ることも可能。私のカラーパレットはこんな感じ。

my color LFW Pinterest JS   Topshop

ちなみに、このファッション・ウィーク中、TOPSHOPはイギリスのデジタル屋外広告の会社「Ocean Outdoor」及び、twitterともダッグを組み、ハッシュタグとして上がってきた今シーズンのトレンド及び、そのトレンドを取り入れたルックを、TOPSHOPの実店舗から徒歩10分圏内にあるOcean Outdoorの屋外デジタルビルボードに表示する、というデジタルとリアルをミックスさせた施策も行なっています。

Topshop_twttertrend
↑今年のトレンドアイテムのハッシュタグを含むツイート
ocean_topshop_eat_street_at_westfield_london_71
↑twitterで上がってきたトレンドアイテムをデジタルサイネージに表示

来シーズンのコレクションを発表する場であるファッション・ウィークを使って、「今すぐ買える」商品を提案し、オンラインストアもしくは、リアルストアに誘導をしてしまうのは、ファストファッションブランドであるTOPSHOPだからこそできることだと思います。

 

3. VOGUE x youtube

ファッション・ウィーク中、VOGUE及びteenVOGUEが、ニューヨークのチェルシー・マーケットにある「youtube space」(映像クリエーターを支援するための撮影スタジオ)にポップアップスタジオを設置。ビューティー及びファッションの人気Vlogger達とコラボレートし、teenVOGUE、vloggerのそれぞれのページでNYFWにまつわるオリジナルの動画コンテンツを配信しました。

Karlie Kloss Grills YouTube Stars on Online Fame   Anneorshine  Chloe Morello   YouTube

↑VOGUEのyoutubeチャンネルにてブロガー集合

例えば、今回teenVOGUEとタイアップを行ったVloggerのAmanda Steele(画像下)のyoutubeチャネルのフォロワーは、271万人、VOGUEとタイアップを行ったLisa Eldridgeのyoutubeチャネルのフォロワーは127万人です。一方で、teenVOGUEのフォロワーは36万人、VOGUE(US版)のフォロワーは、38万人となっており、いかにVlogger達が圧倒的な影響力を持つメディアか、ということが分かります。VOGUEにとっては、このタイアップを通して、普段リーチすることができない層へアプローチが出来たというわけです。

 

Lily Aldridge Teaches Amanda Steele How to Pose Like a Supermodel   Fashion Week 2015   YouTube

↑Amanda Steeleのチャンネルに、Lily Aldridgeが登場!Amandaのファンも大喜びしたこと間違いなし。

雑誌のVOGUEは、ファッション業界人、もしくは一部のファッション狂のために作られた「お高くとまった」ニッチなメディアですが、youtubeのチャネルに関しては、セレブや有名人を多く起用したアップテンポでコミカルなものが多く、強力なVOGUEブランドはそのままに、動画コンテンツを通して、よりマスへリーチしようとしているのが分かります。

また、このyoutubeとのコラボレーションを告知すべく、人気モデルのカーリー・クロスを起用したキュートな動画を公開。アナ・ウィンターの指令の元、VOGUEのオフィスから必要なアイテムを運び出すというストーリーなのですが…

Karlie Kloss   Friends Raid the Vogue Closet for NYFW2

Karlie Kloss_MK

人気youtuberの Casey Neistatやデザイナーのマイケル・コースにジェイソン・ウー、その他モデルちゃん達が多数出演。業界人やファッション好きなら、テンションがアガる楽しい動画になっています。

NYのファッションシーンに欠かせないデザイナーや人気モデルちゃんが出演することで、タイアップの告知のみならず、NYFWを業界全体で盛り上げている感がとても素敵だなと思いました。

YouTube Preview Image

 

4. Tommy Hilfiger x twitter

ファッション・ウィークに合わせて、ソーシャルメディアプラットフォーム各社が新機能をブランドとのタイアップという形で導入することが、もはやお決まりの様になっていますが…

Tommy Hilfigerはtwitterをパートナーに選び、「Twitter Halo」という360度全ての角度から被写体を見ることができる動画機能を公開しました。(言葉で説明すると意味不明ですが、下記動画を見るとなるほどね、となります。)

     


機能としてはおもしろいんだけど、twitterでやる必要ないかも、というのが正直な感想。twitterは、あくまでも言葉遊びを楽しむツールであって、動画を観るなら、instagramやfacebookの方が良いと思ってる。

新しいツールを何処より先に導入すること=デジタルに強いアピールできる、と勘違いしがちだけど、メディアの特性を最大限に活用できる新しいツールでなければ意味がないのよね。私もついつい新しいものに飛びつきがちだけど、自戒の念を込めて…

 

5. twitter fashion emoji 
ファッション業界はとにかくemoji(絵文字)に夢中!ということで、NYFW中の期間限定で、ハッシュタグ#NYFWもしくは、#fashionflockを付けてツイートすると、日替わりでこんなに可愛いファッションemojiが追加される様になっていました!
NYFW_Emoji
期間限定のため、今はもうタイムライン上から消えてしまっていて見ることはできないし、日替わりでemojiは変わるので、「ナニコレ、サングラス可愛い!」と思っていても、翌日には違うemojiに変わっていました。
指定のハッシュタグを付けて投稿することで、何か楽しいアクションが自動的に起こる仕掛け、しかもサプライズ要素を含むものは、イベントのエンゲージメントを高める上で、とても有効な方法。

 

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以上、ファッション・ウィーク 2016S/SでParisが気になった、ファッションブランドのデジタル施策5つを取り上げてみました。以前は、ライブ配信を行うだけでも大騒ぎでしたが、今ではライブ配信は当たり前。より多くの人に観てもらうめたの事前の仕込みが必要になりました。また、BurberryのsnapchatプレビューやVOGUEのカーリー・クロスを起用した動画など、コンテンツそのものを面白くすることが求められています。

2月のファッション・ウィークでは、どんな新しいテクノロジーや仕掛けが用意されているのかしら?今から、とっても楽しみだわ!

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