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次なるメディアは、印刷可能なウェブマガジン?!- 半デジタルメディア Printable bookという考え方


これまでにも、FantasTech Fashionでは、今後のファッション雑誌の可能性や情報のあり方について考えてきました
情報の発信が出版社の専売特権でなくなってから数年が経ち、今では小売も一般消費者も、誰もがメディアを持ち、情報を世界中の人に届けることができるようになりました。

◆ここ最近のメディアの動向 ー 出版、小売、消費者までもが同じ土俵に

1. E-tailer (オンライン販売企業)が紙のマガジンを発行
Net-A-Porter、ASOA、modclothなど、ブログや独自のアプリを使って、読み物として十分に楽しめるファッションコンテンツを配信してきました。
そしてこの度、Net-A-Porterが紙のマガジン “Poerter”を創刊。

Source: THE WALL STRETT JOURNAL

2. ファッション雑誌はオンラインへ
コンデナスト社のUS版VOGUEがオンライン上のキュレーションマガジン、flipboardと提携

3. 消費者も自分だけのマガジンを簡単に発行
GLOSSIや先に挙げたflipboardを使えば、一般の消費者も自分だけの情報をキュレートし、オンラインマガジンを作ることができる。もちろん、これらのサービスを使わなくとも、ブログだけでも十分情報発信が行えます。

Source : GLOSSI

選択肢が沢山あることは良いことです。ただし、多すぎると人は何を選んで良いのか分からなくなってしまい、結局何も選べなくなっていまします。
以前のブログで書きましたが、消費されない、本当に必要な情報を届けるメディアを作りたいと、私は思っていました。

そこで、そんな私が考えついた新しいデジタルメディアとその情報配信の手法が、印刷可能なウェブマガジン “Printable Book”です。


◆本棚に入れて10年後も読み返せる、新しい”半”デジタルメディア “Printable Book”
この “半”デジタルメディア、”Printable Book”とは、新しい情報配信の考え方ですが、仕組み自体は既に世に存在しています。

“Printable Book”の特徴は、

(1)10年後も普遍的な価値を持つ、特定分野の「基本」を集めた体系的な情報を配信する
(2)読者はデータをオンラインからダウンロード購入し、自分で印刷し、手元に残すことができる

ざっくり言うと、本棚に入れておいて、後から見返したくなる「辞書」とか「参考書」的な情報をオンラインで配信し、さらにはPDF形式でダウンロードできるメディアの仕組みです。

◇基本情報
まず、掲載する情報は、特定分野の「基本」となる情報です。
この基本となる情報とは、「基本のHOW TO」や過去の優れたもの・作品をその道のプロがキュレートしたものになります。
これらは、参考書的に何度も読み返す価値のあるものであり、時が経ってもその価値がなくなることのない、普遍的な情報です。

◇過去の優れた情報・作品のキュレーション
情報が発信された当初はトレンドに過ぎなかったものも、本当に素晴らしいものは時を経ても価値を持ち続けます。それらは、いわゆる「名作」や「名著」などと呼ばれるもので、時を経ても引用され続け、時に現代風にアレンジされます。

これら、後世に伝えるべき過去の優れた「名作」を選別し、キュレートできるのは、とある分野において相当と知識と経験を持つ人のみがなせる技。体系的な情報は、ググる程度の調査では作り出すことはできません。

例えば、F.IT(ファッション×先端テクノロジー研究所:FIT INNOVATION LAB JAPAN)のキックオフイベントで登壇された西谷麻理子さん。西谷さんが選ぶ「ファッション業界人が知っておくべき過去50年のキールック」なんかが作れたら最高です。

また、「ファッション業界人が見るべき映画」というテーマで、ファッション史上重要な映画(例えば、「ティファニーで朝食を」や「マイ・フェア・レディ」、「華麗なるギャツビー」など)リストも欲しいものです。

◇ダウンロードモデル
このPrintable Bookのもう一つの特徴は、配信はオンライン上で行い、ダウンロードをすることで手元に残すことができるということです。

基本的にオンライン上で見るだけは無料ですが、印刷できる形にレイアウトされたデータのダウンロードが有料となり。オンライン上の情報は、一般的なテキスト+画像、すなわちブログの形式ですが、ダウンロード版は雑誌のようなレイアウトになっています。電子書籍の様にオンラインでデータを購入しますが、印刷することで、パラパラとめくることができる冊子として手元に残ります。

*ちなみに、オンライン上で見ることに関しては無料に拘ります。なぜなら、当たり前っちゃ当たり前だけど、情報商材って実際に読んでみないとその価値ってわからないからね。
大切なのは、本当に価値のある情報を見つけてもらうこと。将来自分の役に立つかも!って情報はブックマークしたりevernoteに保存するだけでなく、手元に形のあるものとして残しておくことが大切。
なぜなら、データだと無限に保存ができるが故、一体自分がどんな情報を持っているかを忘れてしまいがちだから。

 

◆ビジネスモデル
①通常の広告収入+②印刷版のダウンロード販売
広告収入モデルを採用するのは、他のメディアと同じ。
基本情報と一緒に応用編の情報を掲載するのは、非常に効果的だと思っています。
なぜなら、基本をマスターしたら応用編にチャレンジしたくなるものだから。

例えば、ネイルケアの基本情報には、OPIの新作ネイルの広告を出すと言った形です。

②印刷版のダウンロード販売
例えば、「Gumroad」というコンテンツのオンライン決済サービスを使えば、印刷版のデータを販売することができる。
私が長年に渡って愛読しているブログ、PR coutureは “GettingIN” という PDFの読み物を、Gumroadを使って購入。決済はリンク先に飛んでクレジットカード番号を入れるだけ、と至って簡単で2分以内で完了しました。

*余談だけど、インターネット上のコンテンツは無料で入手できて当たり前、という考えはそろそろ見直すべきだと私は思っています。

 

◆最後にー 基本レシピ VS カスタマイズ
この “Printable Book” という新しい情報配信の感が方に辿り着いたのは、情報の質に関わらず、どんどん消費されてしまう今の社会にウンザリしたから
カスタマイズの方法は、あまりに沢山世に出回っている一方で、基本の情報を見つけることが困難だったりします。
例えば、私の趣味であるカップケーキ作りにおいても、デコレーションの方法やフレイバーのバリエーションは、ごまんと有るのに、基本のカップケーキのレシピの少ないこと!(ちなにみ、”Cupcake Garden“は私のお気に入りのカップケーキのレシビ集。ELLE Tableの基本レシピを元に、アレンジカップケーキを作っています。)

沢山の情報が出回る中で、実はみんなが欲しいと思っている情報って、基本的な情報なんじゃないなか?って思ったの。この基本的な情報があれば、よりカスタマイズも楽しく行えると思っています。

カップケーキの基本的はもちろん、お菓子の基本が分かれば、より美味しいカップケーキが作れると思わない?

つまり、情報とは「基本レシピ」と「カスタマイズ」の2種類に分けることがきます。
そして、「基本レシピ」があってこそ、「カスタマイズ」が充実するのです!

 

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Image : Image courtesy of Ambro / FreeDigitalPhotos.net

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