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米国版VOGUEの広告連動型eコマースと雑誌の行方


アメリカ版VOUGE2011年9月号には、iPhone appを使用し広告に掲載されてる商品をiPhoneからダイレクトに購入、またはwishリストに入れる&友達と共有という、新たな広告のスタイルが導入されていました。雑誌と連動したiPhone app “VOUGE wish list”  を使ってみた感想と、本誌広告と連動したeコマースについてゆる〜く考えてみます。では、まず始めに結論から。

結論

  • 雑誌掲載の商品をそのまま購入できるのは非常に魅力的であるが、iPhoneで広告をスキャンし、読み込む一手間がメンドクサイ
  • 広告にしか対応していないのが物足りない。VOGUEのエディターが選んだ商品だからこそ、買いたいと思うので、コンテンツとして掲載されている紙面の商品にも対応して欲しかった。
  • 広告含めたコンテンツ連動eコマースなら、完成形はNET-A-POTER

以上が結論です。ではこれから、”vogue wish list”アプリの詳細や感想、eコマース連動について思うことを書いて行きます。ちょっとばかし長くなりますので、興味をお持ちの方のみどうぞ。

US版VOGUEの9月号は、電話帳かってくらい分厚く、そのうちの大半は各ブランドのイメージ広告で占められていることは有名。映画、『PRADAを着た悪魔』の実在モデルである、US版VOGUE編集長の、Anna Wintourの活躍を追ったドキュメンタリー映画のタイトルが、『The Sptember Issue』(邦題:ファッションが教えてくれたこと)とおり、9月号は、各編集者及びブランドの力の入り様が違います。

今年、2011年のVOUGE SEPTEMBER issueも例年通り分厚く、総ページ数なんと758ページ!!しかも、そのうち約75%が広告でした。(1ページずつ自力で数えたのよ!笑 数え終わるのに、15分もかかり、途中で数が分からなくなったりしたので、あえてパーセンテージ表示にしています。)

そもそも、VOGUEに掲載されている広告ページは、「ものを売る為」の広告ではなく、ブランディングの為のイメージ広告が大多数です。日本のファッション誌の後ろの方によくある、ダイエット系の広告なんかは当然、一切ありません。

 しかし!!!!! そんなVOGUEの広告に変化がありました。

iPhone専用アプリ、”VOGUE wish list“ (http://itunes.apple.com/us/app/vogue-wish-list/id419267959?mt=8&ls=1)を使うことで、広告に掲載されている商品をiPhoneからダイレクトに購入することができるのです!! 売るための広告じゃないのに、広告の中もモデルが着用している商品をそのまま買えてしまう。(ただし、お金があれば!)

アプリの解説ページによると、約100のブランドがこの「広告そのまま買えちゃう」企画に参加しているよう。おおよそ570ページにも及ぶ広告、全てを試すことはさすがにできませんでしたが、いくつか試してみました。

機能面

  • 広告を読み込み、購入可能な商品をリスト表示までの時間が結構かかる。30秒くらい。(インターネットの接続環境による)
  • アプリが落ちやすい
  • 写真を撮る際、iPhoneの画面にガイドが表示され、そこにきっちり納ないといけない風だが、結構適当でも読み取れる。スキャンの精度はいいのかも。→今後QRコードは必要なくなるかも?!
  • 広告のページ以外には使えない

コンテンツ

  • 購入できる商品(購入するだけの資金を持っているかどうかは別として。笑 技術的に購入可能か、ということです)が多いとなんか、嬉しい!!
  • Tommy Hilfigerは広告の商品のほとんどが購入可能だったので、テンション上がった!

  • 逆に、沢山商品を載せているのに、購入できるアイテムが1点だけ、とかだと萎える。例えば、TOM FORDはアイウェアのみ購入可能。一般人は、ロゴ入りのメガネくらいしか、どうせ買えないだろう。というメッセージが込められているのでしょうか?笑
  • 香水、コスメの広告は非対応 (香水とかなら割りと手軽に買えそうなのに…)
  • 量販店×コラボの商品(Macy’sとカール・ラガーフェルド、targetとMISSONI)は、Macy’sのみ購入可能。(Target×MISSONIは凄い人気だったから、そもそも在庫がないのかも)

  • 百貨店の広告にも対応しているものの、購入はできないものが殆ど
  • ノードストロームは、自分でブランド担当に電話をして聞け、との指示w
  • バーニーズは” These products are not currently available in vogue wish list”だそう。
  • Nieman Marcusは購入可能!(ただし、Michael Kors $3,995とかですけどw)

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以上がアプリに対するレビューです。

始めの「結論」で書いたとおり、アプリとしては目新しく楽しいですが、ショッピングにたどり着くまでの過程が長く、結構メンドクサイ。しかも、今回は広告ページのみ対応という点にも物足りなさを感じた。広告ページであっても、全ての商品が対応しているわけではなく、フラストレーションを感じました。

ですが、そもそもVOGUEに掲載されている広告はイメージ広告であり、VOGUE自身もこのアプリを通して商品を販売を主な目的としている訳ではなさそうなので、このようなやや中途半端なeコマース連動でも良いのかもしれません。

一方で、もしこれが商品の販売や売上を上げることを目的とした媒体であるのなら、広告ページeコマース連動ではなく、全てのページを対応にすべきと思います。また、エンターテイメントという観点からみたら、雑誌をiPhoneでスキャンしてお買い物ができるのは楽しいけれど、利便性を重視するのならば、NET-A-PORTERのように、iPadマガジンにし、

ワンタッチで商品にアクセス→購入

の流れの方が良い気がします。

ということで、まずます多様化し、eコマースとの連動が進む雑誌の未来の鍵は、NET-A-PORTER方式にありそうなので、次回はNET-A-PORTERを検証したいと思います。

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2 Comments

  1. オンライン連動で雑誌は3倍楽しくなる!|Clickable Paperを導入したELLEgirl8月号 | FantastechFashion

    2012/12/10 at 11:34 PM

    […] 米国版VOUGEも広告連動型eコマースアプリと比較しながら、使ってみた感想をレビューしてみます。 […]

  2. 理想のデジタルファッションマガジン 前篇 | FantastechFashion

    2012/12/16 at 5:41 PM

    […] 写真は全て、ムービーとまではいかない程度に動き(ここ重要!)、タッチをしたら、前回のブログで紹介した、アプリで商品情報が読み取れるVOGUEの広告の様に、商品の情報を得られる […]

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